セファロタス 'エデンブラック'の魅力と特徴を解説してみたいと思います。
Cephalotus 'Eden Black'は最も高額な品種として世界中の愛好家から垂涎の的となっているセファロタスです。
それだけに誤品の多い品種のひとつでもありますが、特徴としては、捕虫袋にある左右の翼は小さく目立たず、全体的に、なだらかです。
また、中央のネクタイは折り目のように窪んだ靴べら型をしています。
普通葉は、多くのブラックタイプと同様に細長く鋭い形をしていることが多いです。
現在までに確認した限りでは、過去にチェコのCZ Exotic Plants s.r.o. / L.t.dが販売していた系統だけが最もこの特徴に近いように思います。
なお、実生個体もエデンブラックとして認める考えが一部にあり、このことが海外において数タイプのエデンブラックが販売されている理由のひとつとも考えられそうです。
ちなみにエデンブラックの品種登録において増殖は「葉または根茎の挿し木または分裂による栄養生長」と記載されています。
エデンブラックに関連する断片的な情報を総合的に考えると、本物や誤品というよりは、それぞれ見た目や価格の異なる、様々な系統のエデンブラックが存在する、と考えた方が良いような気がしています。
エデンブラックはブラックタイプの中では黒さ控えめですが、太くどっしりとした形状と赤黒い絶妙な色調が、重厚なたたずまいと品格を醸し出しています。
補虫袋は均整の取れた理想的な形状で、赤と黒のグラデーションも美しく、セファロタスの最高峰と称されるにふさわしい魅力的な品種です。